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『生ましめんかな』

8月
忘れてはいけない出来事が多い・・・・

夏・・・・

広島・長崎の原爆
終戦記念日

日航機墜落・・・・・

先日
うちの院長が・・・
この時期になるととりあげられるこの詩を知ってる?
って読んでくれました。


何とも
胸が痛い・・・
それでいて女性の強さ・・・
生まれることのすごさ・・・・
命・・・・

考え深い詩だと思いました。

詩を作った原爆詩人と呼ばれる栗原貞子さんはもうお亡くなりになったそうです。
実際の経験からの詩だそうで
この時生まれた方は広島でご健在だということらしいです。




『生ましめんかな』

 こわれたビルディングの地下室の夜だった
 原子爆弾の負傷者たちは
 ローソク一本ない暗い地下室を
 うずめていっぱいだった
 生ぐさい血の臭い 死臭
 汗くさい人いきれ うめきごえ
 その中から不思議な声がきこえてきた
 「赤ん坊が生まれる」と言うのだ。
 この地獄の底のような地下室で
 今、若い女が産気づいているのだ。
 マッチ一本ないくらがりで
 どうしたらいいのだろう
 人々は自分の痛みを忘れて気づかった。
 と「私が産婆です、私が生ませましょう」
 と言ったのは
 さっきまでうめいていた重傷者だ。
 かくてくらがりの地獄の底で
 新しい生命は生まれた
 かくてあかつきを待たず産婆は
 血まみれのまま死んだ。
 生ましめんかな
 生ましめんかな
 己が命を捨つとも


何をかんじるでしょう・・・この詩によって。


そして、
今年は次男の純に「広島のピカ」の絵本を読み聞かせました。
原爆って何?
ってまだやはり難しい本でしょう。

その中に
原爆が落とされ数日後主人公のみーちゃんはおばあさんからおにぎりをもらいます。
すると
おばあさんは死んでいったそうです。


この一節を読んだ時、生ましめんかなと一致した気がしました。
自分の命がなくなろうとも生まれて、育って行ってほしい・・・・
その願いはたとえ他人であろうとも親=母親・・・・
母親のすごさを感じる気がしました。

女性の力強さを感じました。

生まれる命…・・・・・・・

死に行く命…・・・・・・・

深く考えさせられます。



みなさんはこの詩をご存知でしたか?

私は死んでいった産婆さんと同じ職業なのに…・
初めて知った詩です。

最近なのか?教科書にも載ってるとのことです。

知らないでいた自分が少々恥ずかしい気持ちになりました。

でも、知った以上何か考えて・・・・新たに仕事をきちんとしたい、そう思いました。
by 2006-r-n-b | 2011-08-11 20:12 | お産