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8月のニュース

8月21日から・・・・

ブログにしたいと思うことはたくさんあります。

ですが、
一番気になることをまずブログにしようと思います。


それは8月後半8月29日のニュースでしたでしょうか・・・・

救急搬送中の妊婦さんが不幸にも死産になってしまったこと、誠に遺憾に感じております。


でも、マスコミの報道はどうかと思います。
たらいまわしとか、受け入れ拒否とか・・・・・・・・


その女性には大変申し訳ないのですが、
私が思うにはなぜ7ヶ月までどこの病院にもかかっていなかったのか?
本当にお腹の赤ちゃんが大事だと思うならば、健診をきちんと受けておくべきだったと思います。何か事情はあったのかもしれませんが・・・・・・・・・・


健診をきちんと受けていれば、
お腹の赤ちゃんが助かるかは別問題として

第一の受け入れ先(検診をしている病院)はあったと思います。


そして、たらいまわしだとかマスコミは言っているようですが
産婦人科医が少ないとされているなか、自分の病院で見ている患者さんの処置をしていたりすると受け入れられないという現状もわかってほしいものだと思います。

自分の病院で大変リスクのある患者さんの処置中だったり、分娩中だったり、
手術中であったりするわけです、その場合は外からの患者さんは受けられません。

受けてほっといたらどうなるでしょうか?

受けたのに見ない医師!病院!とまたマスコミは面白おかしく記事にすることでしょう。



なんと表現していいのかわからないけれど、


うちの診療所でも、同じ時期に
まだ23週くらいの方の破水がありました。


まず、第一受け入れはうちの病院です。

ですが、23週といいますと高度な治療が必要になります。
赤ちゃんが生まれたときを想定しますと・・・・・・・・・専門の小児科医が連携できる病院にいく必要があると判断します。


この辺ですと八千代に女子医大ができましたので問い合わせをいたしましたが、
ベッドが満床でした。

東邦大学病院では緊急帝王切開と22週の破水の方がこれから来院予定であると
もちろんどちらにも医師が必要としますからしかたがありません。


船橋医療センターも満床と22週の破水の患者様がいたが当院では見られないためほかの病院に送ったのであるということを理由にだめでした。


そして、
君津中央病院にあたったところ、なんとかうけてもらえることになり、
ちょっと遠いのですがそちらにお世話になることができました。



そして、マスコミに知っていてほしいことは
もし、偶然にも、すぐに病院に受診できたとしても、
その患者さんやお腹の赤ちゃんが助かるかは、わからないということをしっておいてほしいな・・・・・・
そういったことを頭の中に入れて記事にすべきであると思う。



どんなにはやくに患者さんを見ることができても、
状況や症状によっては処置困難、症状を止めることができないことがあることを
しておくべきだと思います。



医療人から言わせてもらえば、
もしかしたら、

救急車の中で死産してしまった女性には申し訳ないのですが、


もし、きちんと検診を受けていればもっと早くから切迫早産と診断され、
治療をすることができたかもしれない。
そうして、入院や持続点滴などの治療をしたら死産にならなかったかもしれない。


でも、必ずしも、定期健診をしていたからといっても、死産にいたらないという保証はないのである。


健診はあくまでも、定期的に見ていく健診であるため、
健診で見たときは大丈夫であっても、翌日は大丈夫ではないかもしれない。


そのために、
自己管理というのが重要である。



なにか、昨日と感じがおかしいな・・・・とか
思ったら自己判断せずにかかりつけの病院に相談することが重要だと思います。


数年前に
24週くらいの患者さんが夜中の3時頃だっただろうか?
出血があるということで
緊急に受診した(当院健診中の患者さん)

出血の量も多く、お腹の張りもあり切迫早産の兆候がかなりあるため
治療が必要と判断し、すぐに入院となった。

しかし、
半日くらいは症状もおさまってきたかな・・・と思っていたが、

お腹の張りが徐々に強くなり、薬を強めたりしてもなかなか抑えることができなかった。


そのため、赤ちゃんが生まれると判断し新生児の集中治療のできる病院を
と・・・・・・・・・・
午後3時くらいからだっただろうか、
院長が診察をとめ、病院探しの電話をした。


しかし、千葉県内の病院はすべて見ることができないと・・・・・・・・・・
でも、なんとか、できる限りのことができる病院を一刻も早く探さねばと
とある病院で都内のある病院が1床NICU(新生児集中治療室)があいていると教えてもらい、
そちらに搬送することになった。


そして、無事に赤ちゃんが生まれることがなく母体搬送することができた。

その家族から、
翌日700グラムくらいの赤ちゃんが生まれ今治療をしていると・・・・・・・

*結果論かもしれないが、
  この患者さんは受診したのは月曜日の深夜
  お腹が痛かったり出血し始めていたのは金曜日からだったという。
  もう少し早く病院に電話していれば出産までいたらなかったかも(かもである!)
  しれない。
  こればかりは、治療して経過を見なくてはわからないのである。


産婦人科医は
患者様の先が少しでもいいように努力している方々がほとんどです。

お腹の赤ちゃんや母体を殺そうとなんてこれっぽちも思っていません。


いま、目の前に自分の施設の患者さんが処置を必要としていたら
その患者さんをほうり出してまで・・・・救急車の患者さんを・・・・・・
と簡単に受け入れることができないのです。


医師や病院のあり方!をマスコミは取り上げていますが、


こういう緊急事態のときのために
各都道府県の医療の連携がとれるシステムを作らなくてはいけない。

そのシステムがきちんとなされていないのに、文句は言えないと思います。


そして、患者教育も必要なのではないかと私は思います。



最近では外来患者さんが暴言を医師にはいたりと



当院でも、びっくりすることもありました。



システムがきちんとなされていないのに、文句ばかりは困ると思います。



こうして、また産婦人科医のなり手が減ってしまうということをわかっていない・・・・・・・・・



そう思ってないません。
by 2006-r-n-b | 2007-09-03 11:00 | お産